椅子の基本機能
2017/08/19
椅子の基本機能
インテリアの中でも椅子は、人の体を支える、人間との関わりが大きく、人体系家具、体具とも呼ばれています。
ダイニングテーブルで食事をする時に座る椅子、リビングルームでゆったりと寛ぐ時のソファ、パソコンや家事仕事をこなすためのワークデスクの椅子、化粧台の椅子等、椅子はさまざまなシーン、用途に用いられます。使用するシーンによって、椅子のデザイン、高さ、素材もさまざま。
今回は、ワークデスクを基本に椅子の選び方をお伝えします。
座位基準点
座骨結節点(おしりの凸の部分)の中央の位置で、椅子の寸法上の原点になります。
座面の高さ
椅子の座面の高さは、座位基準点から床までの垂直距離になります。作業用椅子の高さは、身長(㎝)÷4-1㎝程度が適当であるといわれています。
例えば、身長160㎝÷4-1㎝=39㎝になります。
またクッション性のある椅子では、人間が座って沈み込み、落ち着いた状態で寸法を測るのが原則です。
上記のような計算の高さが適当で、それより高いと圧迫されて疲れやすく、低いと作業姿勢がとりにくくなります。
背もたれのない椅子で、座と高さとの背中の筋肉の活動度を調べると、40㎝程度の高さのときが最も疲れやすいといわれています。このため、背もたれのない椅子の高さは、それよりやや高いか低いものの方が良いとされています。
ちなみに作業用の椅子は、平らで、ある程度硬い方が長時間の作業に疲れないといわれています。
また、座面の奥行は、背もたれに腰が密着したとき、座の先端と膝の間にわずかに空きができる位が良いとされています。
背もたれ
背もたれは、傾斜が小さい作業用の椅子等の場合は、背もたれ点(第2~4腰椎)を支えるようにして、傾斜が大きい場合は背もたれ点と胸椎の下部、頭部の3点を支えるのが望ましいとされています。
机の高さ
机の高さは、上記の座面の高さの計算で出した数字に、座位基準点から机の上面までの垂直距離をプラスした数値になります。座位基準点から机の上面までの距離を差尺といいます。
座面の高さ+差尺=机の高さ
差尺は、座高を目安とすると良いでしょう。座高は身長の0.55倍×1/3を目安にすると良いでしょう。作業の内容によっては、計算値より2~3㎝低くすることも考慮に入れましょう。
一般的には成人の実用値では、男性28~30㎝、女性27~29㎝といわれています。この数値を座面の高さにプラスした数字が最も疲れにくく、負担が少なく適度な机の高さといわれています。その椅子にぴったりの机の高さということです。
例えば、先程算出した座面の高さに差尺をプラスすると、女性の場合(身長160㎝の場合)
39㎝+27~29㎝=66~68㎝(机の高さ)
このようにして、まずは自分の身長に合う椅子の座面の高さを算出し、そこに適度な空きの空間(27~30㎝)をプラスして机の高さを決めると、自分の体にピッタリサイズの組み合わせの机と椅子が見つけられます!
まずは自分に合ったサイズを算出してみましょう!
今回はワークデスクを基準としています。リビングでくつろぐための椅子等、休息性が高くなるほど椅子は座面が低くなる、座面の後傾の角度が大きくなる、座面と背もたれの角度が大きくなるという特徴があります。
休息性の高い椅子を選ぶ場合は、ワークデスクで算出したぴったりのサイズを基準に、上記の特徴を加味しながら選ぶと良いでしょう。